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2025.07.25

トイレの床が抜けた!:その原因は?修理費用はどのくらいかかる?

はじめに

住宅のトイレの床の傷みは、日々の生活において見過ごせない問題です。

特に「床抜け」といった状況に至ると、安全性だけでなく、家の構造全体にも影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、トイレの床抜けがなぜ起こるのか、その症状、放置した場合のリスク、そして修理にかかる費用について詳しく解説します。

トイレの床抜けにお悩みの方はぜひ参考にしてください。

 

トイレの床抜けの主な原因と症状

床抜けの原因

トイレの床が抜ける、または大きく傷む原因はいくつか考えられます。

水濡れによる腐食

トイレは水を使用する場所であるため、尿の飛び散り、手洗い器からの水漏れ、または便器と床の隙間からの排水の漏れなどが長期間続くと、床材やその下の木材(根太や大引など)が水分を吸収し、腐食を引き起こします。

木材が腐食すると強度が低下し、最終的に床が抜け落ちる原因となります。

湿気による劣化

トイレ内の換気が不十分な場合や、冬場の結露が頻繁に発生すると、室内の湿度が高まります。

この高湿な環境が続くと、床下の木材にカビや腐朽菌が発生しやすくなり、木材の劣化を早めます。

シロアリ被害

湿気を好むシロアリが床下の木材に侵入し、食害を与えることがあります。

シロアリに食われた木材は内部がスカスカになり、見た目には異常がなくても強度が著しく低下しているため、ある日突然床が抜ける原因となることがあります。

構造的な問題

築年数が古い建物の場合、建築時の構造的な欠陥や、地盤沈下などにより、床を支える部分に負担がかかり、床が抜けることがあります。

また、床下の点検が長期間行われていない場合、木材の経年劣化が進み、耐荷重性能が低下していることも考えられます。

床が抜けた際の症状

床が完全に抜け落ちる前に、以下のような兆候が見られることが多いです。

これらの症状に気づいたら、早急な対応を検討することが重要です。

床が沈む・フワフワする

床を踏んだときに、通常よりも沈む感覚があったり、床がフワフワとしたりする場合は、床材の下にあるコンパネ(合板)や根太(ねだ)といった構造材が傷んでいる可能性があります。

床の変色・黒ずみ

水漏れや湿気の影響で床材が水分を含み続けると、変色したり、カビが発生して黒ずんだりすることがあります。

特に便器周辺や壁際にこのような症状が見られる場合は注意が必要です。

異臭の発生

床下で木材が腐食している場合や、カビが発生している場合には、カビ臭い、または下水のような不快な臭いがすることがあります。

これは、目に見えないところで劣化が進んでいるサインです。

床材のひび割れ・剥がれ

床材の表面にひびが入ったり、フローリングの板が反ったり剥がれてきたりすることも、床下の問題を示唆する症状です。

 

トイレの床抜けを放置するリスク

床抜けの兆候に気づきながらも放置してしまうと、以下のような深刻なリスクが生じます。

安全性の低下

最も直接的なリスクは、人が転倒したり、床が完全に抜け落ちて怪我をする危険性があることです。

特に高齢者や小さな子供がいる家庭では、重大な事故につながる可能性があります。

構造体への影響

トイレの床は建物の構造の一部です。床の腐食や劣化が進行すると、その下の根太や大引といった主要な構造材にもダメージが広がり、建物の耐震性や耐久性が低下する恐れがあります。

修理費用の増大

初期段階で修理を行えば、費用を抑えることが可能です。

しかし、放置して劣化が進むと、修理範囲が広がり、床材だけでなく下地や構造材の交換も必要となり、結果的に高額な修理費用がかかってしまいます。

衛生面の悪化

床の腐食やカビは、不快な臭いの原因となるだけでなく、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こす可能性もあります。

衛生的な環境を保つためにも、早期の対策が望まれます。

トイレの床抜け修理の費用相場

トイレの床抜け修理にかかる費用は、損傷の程度や修理範囲によって大きく異なります。

軽度の床材交換

床材(クッションフロアやフローリングなど)のみの交換や、その下にあるコンパネの一部交換で済む場合、費用は5万円から10万円程度が目安となります。

この場合、既存の床材を撤去し、新しい床材と必要に応じて新しいコンパネを設置する作業が含まれます。

工期も比較的短く、数時間から1日で完了することが多いです。

中度の床下地交換(根太などの部分的な劣化)

床材だけでなく、床を支える根太(床材の下に等間隔で並べられた木材)の一部が腐食している場合、その根太の交換が必要になります。

この場合の費用は10万円から20万円程度が相場となります。

根太の交換には、既存の床材とコンパネの撤去、腐食した根太の切断・撤去、新しい根太の設置、そして新しいコンパネと床材の設置が含まれます。

工期は1日から2日程度かかることが一般的です。

重度の床下全体交換・構造体修繕(大引や土台への影響、または広範囲な劣化)

腐食が広範囲に及び、根太だけでなく、根太を支える大引や、建物の土台まで影響が及んでいる場合、またはシロアリ被害などで広範囲にわたる構造体の修繕が必要な場合は、費用が20万円から50万円以上になることもあります。

この作業には、広範囲な床材・コンパネ・根太・大引の撤去と交換、必要に応じて防湿処理やシロアリ対策が含まれます。

大規模な修繕となるため、工期も数日から1週間程度かかる場合があります。

これらの費用には、材料費、施工費、そして既存材の撤去処分費などが含まれています。

ただし、建物の構造や使用する材料のグレード、業者によって費用は変動するため、複数の業者から見積もりを取得し、比較検討することをお勧めします。

 

まとめ

トイレの床抜けは、水濡れや湿気、シロアリ被害、構造的な問題など、様々な原因によって引き起こされます。

床が沈む、変色する、異臭がするといった兆候が見られたら、早期の対応が非常に重要です。

放置すると、安全性の低下、建物の構造体への影響、修理費用の増大、衛生面の悪化といった深刻なリスクを招きます。

床の異変に気づいた際には、症状が軽度であっても放置せず、早めに専門の業者に相談することが賢明です。

適切な時期に適切な修理を行うことで、安全で快適な住環境を維持することができます。