2025.06.20
トタン屋根の張替え費用はいくら?相場と工事の内訳、長持ちさせる秘訣を解説
はじめに
トタン屋根は、日本の住宅などにおいて広く採用されてきた屋根材の一つです。
その軽量さや施工のしやすさから普及しましたが、経年による劣化は避けられません。
屋根のメンテナンスは住まいを守る上で非常に重要であり、特にトタン屋根の張替えを検討されている方にとって、費用は大きな関心事となるでしょう。
この記事では、トタン屋根の張替えにかかる費用の内訳や相場、寿命とメンテナンスの重要性、そしてDIYでの危険性について詳しく解説します。
トタン屋根の張り替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
トタン屋根の張替え費用の内訳
トタン屋根の張替えにかかる費用は、主に以下の要素によって構成されます。
これらの要素を理解することで、見積もり内容をより深く把握し、適切な判断を下すことができます。
既存屋根の撤去費用
古いトタン屋根を解体し、適切に処分するための費用です。
屋根の面積が広ければ広いほど、また屋根の形状が複雑であればあるほど、撤去にかかる手間と時間が大きくなり、費用は高くなる傾向にあります。
廃材の運搬費や処分費もこの項目に含まれます。
新しい屋根材の費用
張替えに用いる新しい屋根材の種類とグレードによって費用が大きく異なります。
トタン屋根から再度トタン屋根へ張り替える場合は比較的費用を抑えられますが、近年では耐久性やデザイン性に優れたガルバリウム鋼板などへ変更するケースが増えています。
ガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウムと亜鉛を主成分とする合金でめっきを施したもので、軽量でありながら高い耐久性と耐食性を持つ屋根材です。
耐食性とは、金属が腐食しにくい性質を指し、特に酸性雨や塩害に強いという特性があります。
屋根材の色や表面加工の種類によっても価格が変動します。
施工費用
職人の人件費や工事にかかる諸経費です。
屋根の形状や勾配、作業の難易度によって変動します。
勾配とは、屋根の傾斜の度合いを示す言葉で、勾配がきつくなると足場を組むのが難しくなったり、作業に危険が伴うため、費用が高くなることがあります。
また屋根の葺き方の種類によっても施工費用は変わります。
下地補修費用
既存の屋根材を撤去した際、屋根の下地が雨水や経年劣化によって傷んでいる場合があります。
下地とは、屋根材を支える土台となる部分を指し、この部分が腐食していたり、カビが発生していたりすると、新しい屋根材を乗せる前に補修が必要です。
腐食とは、金属が錆びてボロボロになったり、木材が朽ちたりすることを指します。
下地の状態によっては、予想以上の補修費用が発生する可能性もあるため、事前の入念な点検が重要です。
足場設置費用
安全かつ効率的に作業を行うために、建物の周囲に足場を設置する必要があります。
足場は高所作業における安全性を確保し、職人が安定した体勢で作業を行うために不可欠です。
足場の設置費用は、建物の高さや形状、周囲の状況によって異なり、費用の大きな部分を占めることがあります。
特に、隣家との間隔が狭い場合や、傾斜地にある建物の場合などは、足場の設置に工夫が必要となり、費用が上乗せされることがあります。
張替え費用の目安
具体的な費用の目安としては、トタン屋根から新しいトタン屋根への張替えの場合、1平方メートルあたり約9,000円から12,000円が一般的です。
また、近年主流となっているガルバリウム鋼板への張替えを選ぶ場合、1平方メートルあたり約10,000円から14,000円が相場です。
これは、ガルバリウム鋼板がトタンよりも耐久性や耐錆性に優れているため、初期投資はやや高くなりますが、長期的に見るとメンテナンスの手間やコストを抑えられるメリットがあるからです。
耐錆性とは、金属が錆びにくい性質を持つことを指します。
ガルバリウム鋼板は、軽量であるため建物への負担が少なく、地震などの災害時にも有利とされています。
また、デザインの自由度も高く、様々な色や形状を選ぶことができるため、建物の外観イメージを一新することも可能です。
トタン屋根の寿命とメンテナンス

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トタン屋根の一般的な寿命は、およそ6年から25年程度と言われています。
この幅の広さは、立地条件(日当たり、風通し、積雪など)、気候(年間降水量、気温の変化など)、そしてメンテナンスの状況によって大きく左右されるためです。
例えば、海に近い地域では潮風による塩害で錆が発生しやすく、寿命が短くなる傾向があります。
塩害とは、塩分によって金属が腐食したり、植物が枯れたりする現象です。
定期的な塗装は屋根の寿命を延ばす上で非常に効果的であり、約5年から7年ごとの塗り替えが推奨されます。
塗装とは、屋根材の表面に塗料を塗ることで、防水性や耐久性を高めるメンテナンス作業です。
適切な塗料を選ぶことで、紫外線による劣化を防ぎ、屋根材の表面を保護することができます。
紫外線は、太陽光に含まれる目に見えない光線で、塗料や屋根材を劣化させる原因となります。
しかし、どれだけ手入れをしていても、トタン屋根の物理的な寿命は最長で25年程度が限界となることがほとんどです。
塗膜の剥がれや素地の露出、穴あきなどが見られる場合は、張替えを検討する時期が来ているサインです。
塗膜とは、塗料が乾燥してできる膜のことで、素地とは、屋根材そのものの表面を指します。
屋根の劣化が進むと、錆の発生、穴あき、そして最も深刻な問題である雨漏りといった問題が生じます。
これらの症状が見られた場合は、早急に専門業者に相談し、適切な処置を検討することが重要です。
特に雨漏りは、建物の内部構造である木材を腐食させたり、断熱材を濡らして機能低下を引き起こしたりするなど、深刻なダメージを与える可能性があるため、放置は避けなければなりません。
まとめ
トタン屋根の張替えは、住まいを長持ちさせる上で欠かせない重要なメンテナンスです。
費用は屋根材の種類や工事の規模、下地の状態などによって変動しますが、相場を理解しておくことで、スムーズに計画を進めることができます。
特に、トタン屋根の寿命や劣化のサインを見逃さず、適切なタイミングで専門業者に相談することが、不要な出費や大きなトラブルを防ぐことにつながります。
ぜひこの記事を参考にして、トタン屋根の張り替えを検討してください。