2025.05.5
吹き抜けをなくすリフォームの費用はいくら?知っておくべきメリット・デメリットと注意点
はじめに
開放感あふれる吹き抜けは、住宅に明るさや広がりをもたらす魅力的な空間です。
しかし、その一方で、冬の寒さや夏の暑さ、音が響くといったお悩み、あるいは吹き抜け部分の空間を有効活用したいというニーズから、吹き抜けをなくすリフォームをご検討される方も少なくありません。
この記事では、吹き抜けをなくすリフォームにかかる費用相場や工事内容、そしてリフォームによって得られるメリットや生じる可能性のあるデメリット、さらに知っておくべき注意点について詳しく解説します。
吹き抜けをなくす工事を検討している方はぜひ参考にしてください。
吹き抜けをなくすリフォームの概要と費用相場
吹き抜けをなくすリフォームとは、建物の上下階をつなぐ吹き抜け空間に新たな床を設置し、空間を分割する工事のことです。
具体的には、吹き抜け上部に梁(はり:建物を支える横方向の部材)などを組み、その上に床下地を作り、フローリングなどの床材を張ります。
これにより、これまで吹き抜けだった部分が上下階で独立した空間となり、新たな部屋や収納スペースとして活用することが可能です。
下階の天井部分も同時に仕上げ工事を行います。
吹き抜けをなくすリフォームの費用相場と内訳
吹き抜けをなくすリフォームにかかる費用は、その広さや建物の構造、選ぶ材料、工事の内容によって大きく変わりますが、一般的には50万円から200万円程度が目安となります。
この費用には、主に以下のような工事が含まれます。
構造補強工事
新設する床の重さを支えるため、梁の追加や既存の柱・梁の補強が必要になる場合があります。
建物の構造(木造、鉄骨造など)や既存の構造体の状況によって、工事内容や費用が大きく異なります。
床組み工事
新しい床を支えるための骨組み(根太や大引き)を設置する工事です。
床材・天井材工事
新たに張る床の仕上げ材(フローリングやカーペットなど)や、下階の天井材(石膏ボード、クロスなど)の費用と施工費です。
選ぶ材料のグレードによって費用が変わります。
壁・間仕切り工事
新たな部屋を設ける場合に、壁を設置する工事です。断熱材や遮音材の設置も含まれることがあります。
電気工事
新しい部屋に照明器具やコンセントを設置するための配線・設置工事です。
内装仕上げ工事
壁や天井のクロス張り替え、塗装など、部屋として完成させるための仕上げ工事です。
その他諸経費
工事現場の養生費用、解体で発生した廃材の処分費用(産業廃棄物処理費)、足場が必要な場合の設置費用などが含まれます。
これらの費用は、吹き抜けの面積が広いほど、建物の構造が複雑であるほど、また新たに作る空間の仕様や使用する建材のグレードが高いほど、増加する傾向があります。
吹き抜けをなくすリフォームのメリット
吹き抜けをなくすリフォームを行うことで、いくつかのメリットが得られます。
まず、上下の空間が区切られることにより、断熱性や気密性が向上します。
これにより、冷暖房効率が良くなり、冬は暖かく、夏は涼しく過ごしやすくなり、光熱費の削減することが可能です。
また、吹き抜けを通して響きやすかった生活音が軽減され、上下階のプライバシーが確保しやすくなるという遮音性の向上も期待できます。
さらに、これまでデッドスペースだった吹き抜け上部の空間を、新たな居住空間や収納スペースとして有効活用できる点も大きなメリットです。
テレワーク用の書斎や子供部屋、趣味の部屋など、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に空間を利用できるようになります。
小さなお子様やペットがいるご家庭では、吹き抜けに面した手すりがあっても落下のリスクが気になる場合がありますが、吹き抜けをなくして床を設けることで、こうした不安を解消し、安全性を高めることも可能です。
吹き抜けをなくすリフォームのデメリット
一方で、吹き抜けをなくすリフォームにはデメリットも存在します。
最も感じやすいのは、吹き抜けが持つダイナミックな空間の広がりや開放感が失われる点です。
また、吹き抜け上部の窓からの光や風が下階に届きにくくなるため、空間によっては暗く感じたり、風通しが悪くなったりする可能性があります。
リフォーム後の採光計画や換気計画を十分に考慮する必要があります。
加えて、新たな床組みや内装工事などが必要となるため、一定の工事費用が発生します。
そして建物の構造に手を加える工事であるため、適切な設計と施工が行われないと、建物の耐震性などに影響を及ぼす可能性も否定できません。
リフォーム以外の選択肢:吹き抜けの寒さ・暑さ対策
吹き抜けによる寒さや暑さといったお悩みは、必ずしも吹き抜けをなくすリフォームだけで解決するわけではありません。
吹き抜けの開放感を維持しながら快適性を向上させるための対策も考えられます。
例えば、吹き抜けに面した窓を断熱性能の高い窓に交換したり、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する内窓を設置したりすることで、外気温の影響を受けにくくできます。
また、吹き抜けの高い位置にたまりやすい暖かい空気を循環させるために、シーリングファンやサーキュレーターを設置することも効果的です。
さらに、高所の窓に断熱性や遮熱性のあるカーテンやブラインドを設置することも、窓からの熱の出入りを抑える上で有効な手段となります。
まとめ
吹き抜けをなくすリフォームは、住まいの快適性や機能性を大きく向上させられる可能性を秘めています。
費用や工事内容、そしてメリット・デメリットを十分に理解し、ご自身のライフスタイルやご希望に合った計画を立てることが大切です。
特に、建物の構造に関わる重要な工事ですので、安全性を確保するためにも、構造に関する専門知識を持ち、お客様のご要望に真摯に向き合ってくれる信頼できるリフォーム会社を選ぶことが成功への鍵となります。
ぜひこの記事を参考にして、吹き抜けをなくすリフォームについて検討してください。